KOUJIN SUGAHARA MUSEUM 菅原洸人オンライン美術館
S氏像（自画像）パリ
（6号油絵／N.N.／製作年不明）
（6号油絵／N.N.／製作年不明）
冬のS氏像（自画像）パリ
（6号油絵／N.N.／製作年不明）
（6号油絵／N.N.／製作年不明）
広場の画家（自画像）パリ・モンマルトル
（20号油絵／No.070／2008年）
（20号油絵／No.070／2008年）
伯父亡きあとのアトリエにて
菅原洸人オンライン美術館へようこそ
風になって世界中を飛びまわっている伯父さん
伯父、菅原洸人が亡くなって10年が経ちました。ドイツまで届いた、お別れのメッセージの締めくくりに「明日から千の風になって世界中を飛び回ります」とありましたが、伯父らしい言葉です。
伯父が亡くなってからも、伯母の菅原よ志子、従兄弟の菅原良章、菅原よ志子の妹である私の母、岩本昭子の３人で力を合わせ、毎年のように神戸で遺作展を開催していたのですが、母は、今後もずっと遺作展を続けるのは、私たち姉妹には体力的に難しいと言っていました。委託していたという伯父のウェブサイトも閉鎖されました。そんな話を聞いて、私のサイトで伯父の仕事を紹介できたらいいなと思うようになりました。
昨年の暮れに帰省した時、母と一緒に伯母を訪ねました。伯父のアトリエは、作品で溢れていました。伯母一人では難しいというので、母にも手伝ってもらって、ある程度作品を整理し、遺作のリストを作成しました。ほぼ全作品の写真も撮影しました。作品は整理できた油絵だけで377点ありました。アトリエにはまだ、数え切れないほどのアクリル画や水彩画、スケッチブックが残っています。
伯父は1993年に「ソッタズヤロ（弱虫男）の突っ張り人生」と題して、幼年期から最初の渡欧までの足跡を書き残しています。1989年、1991年、1992年、1995年のパリ滞在記も残っています。パリ滞在記を短歌で書き綴っていた時期もあり、膨大な数の短歌も残しています。これから、伯父が残した絵画作品と言葉とを、少しずつご紹介したいと思っています。
掲載する作品は個人蔵である4点以外は全て、神戸のアトリエに保管されています。ご興味のある方はメールでご一報ください。
放浪の画家からパリと神戸を往復する画家へ
伯父は1922年（大正11年）3月、山形県で生まれました。1934年に北海道の建築請負師の養子となりますが、1938年に船員に憧れて家出し、各地を放浪します。1942年に召集令状が届き、軍隊に入るのですが、結核にかかり、傷痍軍人療養所で過ごしていました。療養中に美術、文学、宗教など、あらゆる本を貪り読み、療養仲間の影響で写生をはじめます。終戦後、山形県展の公募に入選。その後、画家として生きる決断をし、絵を描いて売ったり、雇われ仕事をしながら、再び放浪の旅を始めました。1952年の秋に、和歌山でリヤカーを入手し、以後はリヤカーを寝ぐらとし、1953年の秋に神戸にたどり着きます。神戸では、たまたま訪ねた交番の巡査長の計らいで、バプテスト教会横の空き地にリヤカーを置いて暮らし始めます。その空き地は、画家、小磯良平氏の屋敷跡で、焼け残った土蔵には画家の松岡寛一氏が住んでいたそうです。この偶然について、伯父は「何という奇跡、僥倖、恵み、過去30年の苦難の歩みも決して無駄ではなかった」と書いています。
神戸では、サンドイッチマンをしながら、週に４回、市の美術教室で小松益喜氏、奥村隼人氏、桝井一夫氏、伊川寛氏、草野誠氏、岡正一氏、山本万司氏らの指導を受けました。年に数回、小磯良平氏から教わる機会もあったそうです。この教室では同時期に、後に著名な漫画家となる水木しげる氏も絵画を学んでいました。伯父は水木しげる氏の肖像画を１点残しています。
1954年にバプテスト教会の会員となり、小磯家の土蔵で暮らし始め、やがて教会の一室に住むようになります。その頃には、駄菓子を仕入れて売り歩いたり、似顔絵を描いて売るほか、教会の付属幼稚園で絵画の指導を始めました。同時に絵画展にも応募し、入賞するようになります。結婚したのは1961年でした。1964年には、元町のちぐさや画廊で初の個展を開催します。長男が生まれると、塩屋に家を建てて引っ越し、アトリエを構えて製作に励んでいました。
伯父が初めて渡欧したのは1970年でした。以後30年にわたって、パリと神戸を行き来しながら精力的に描き続けました。パリではモンパルナスのグランド・ショミエール芸術学校（Académie de la Grande Chaumière）に定期的に通い、サロン・ドートンヌ展（Salon d‘automne）にも度々入選していました。2001年に神戸市文化活動功労賞を受賞しています。
2013年11月2日、帰らぬ人となりました。91歳でした。
作品ページもくじ
パリのカフェ1
パリのカフェ2
パリのカフェ3
パリのバー etc.
パリのクレープ屋
パリの八百屋と屋台の焼栗屋
パリの花屋
パリの雑貨屋と衣料品店
パリの靴屋
パリの酒屋 etc.
パリの蚤の市1
パリの蚤の市2
パリのメトロと広告のある壁
パリの街角1
パリの街角2
パリの下町
サン・マルタン運河1
サン・マルタン運河2
モンマルトル界隈1
モンマルトル界隈2
サクレ・クール寺院1
サクレ・クール寺院2
サクレ・クール寺院3
ノートルダム寺院1
ノートルダム寺院2
パリの公園1
パリの公園2
コンコルド広場界隈
ポン・ヌフ界隈
セーヌ川畔1
セーヌ川畔2
セーヌ川畔3
セーヌ川畔4
セーヌ川畔5
セーヌ川畔6
エッフェル搭が見える風景
メニルモンタン地区ほか（パリ風景画完了）
風になって世界中を飛びまわっている伯父さん
伯父、菅原洸人が亡くなって10年が経ちました。ドイツまで届いた、お別れのメッセージの締めくくりに「明日から千の風になって世界中を飛び回ります」とありましたが、伯父らしい言葉です。
伯父が亡くなってからも、伯母の菅原よ志子、従兄弟の菅原良章、菅原よ志子の妹である私の母、岩本昭子の３人で力を合わせ、毎年のように神戸で遺作展を開催していたのですが、母は、今後もずっと遺作展を続けるのは、私たち姉妹には体力的に難しいと言っていました。委託していたという伯父のウェブサイトも閉鎖されました。そんな話を聞いて、私のサイトで伯父の仕事を紹介できたらいいなと思うようになりました。
昨年の暮れに帰省した時、母と一緒に伯母を訪ねました。伯父のアトリエは、作品で溢れていました。伯母一人では難しいというので、母にも手伝ってもらって、ある程度作品を整理し、遺作のリストを作成しました。ほぼ全作品の写真も撮影しました。作品は整理できた油絵だけで377点ありました。アトリエにはまだ、数え切れないほどのアクリル画や水彩画、スケッチブックが残っています。
伯父は1993年に「ソッタズヤロ（弱虫男）の突っ張り人生」と題して、幼年期から最初の渡欧までの足跡を書き残しています。1989年、1991年、1992年、1995年のパリ滞在記も残っています。パリ滞在記を短歌で書き綴っていた時期もあり、膨大な数の短歌も残しています。これから、伯父が残した絵画作品と言葉とを、少しずつご紹介したいと思っています。
掲載する作品は個人蔵である4点以外は全て、神戸のアトリエに保管されています。ご興味のある方はメールでご一報ください。
放浪の画家からパリと神戸を往復する画家へ
伯父は1922年（大正11年）3月、山形県で生まれました。1934年に北海道の建築請負師の養子となりますが、1938年に船員に憧れて家出し、各地を放浪します。1942年に召集令状が届き、軍隊に入るのですが、結核にかかり、傷痍軍人療養所で過ごしていました。療養中に美術、文学、宗教など、あらゆる本を貪り読み、療養仲間の影響で写生をはじめます。終戦後、山形県展の公募に入選。その後、画家として生きる決断をし、絵を描いて売ったり、雇われ仕事をしながら、再び放浪の旅を始めました。1952年の秋に、和歌山でリヤカーを入手し、以後はリヤカーを寝ぐらとし、1953年の秋に神戸にたどり着きます。神戸では、たまたま訪ねた交番の巡査長の計らいで、バプテスト教会横の空き地にリヤカーを置いて暮らし始めます。その空き地は、画家、小磯良平氏の屋敷跡で、焼け残った土蔵には画家の松岡寛一氏が住んでいたそうです。この偶然について、伯父は「何という奇跡、僥倖、恵み、過去30年の苦難の歩みも決して無駄ではなかった」と書いています。
神戸では、サンドイッチマンをしながら、週に４回、市の美術教室で小松益喜氏、奥村隼人氏、桝井一夫氏、伊川寛氏、草野誠氏、岡正一氏、山本万司氏らの指導を受けました。年に数回、小磯良平氏から教わる機会もあったそうです。この教室では同時期に、後に著名な漫画家となる水木しげる氏も絵画を学んでいました。伯父は水木しげる氏の肖像画を１点残しています。
1954年にバプテスト教会の会員となり、小磯家の土蔵で暮らし始め、やがて教会の一室に住むようになります。その頃には、駄菓子を仕入れて売り歩いたり、似顔絵を描いて売るほか、教会の付属幼稚園で絵画の指導を始めました。同時に絵画展にも応募し、入賞するようになります。結婚したのは1961年でした。1964年には、元町のちぐさや画廊で初の個展を開催します。長男が生まれると、塩屋に家を建てて引っ越し、アトリエを構えて製作に励んでいました。
伯父が初めて渡欧したのは1970年でした。以後30年にわたって、パリと神戸を行き来しながら精力的に描き続けました。パリではモンパルナスのグランド・ショミエール芸術学校（Académie de la Grande Chaumière）に定期的に通い、サロン・ドートンヌ展（Salon d‘automne）にも度々入選していました。2001年に神戸市文化活動功労賞を受賞しています。
2013年11月2日、帰らぬ人となりました。91歳でした。
作品ページもくじ
パリのカフェ1
パリのカフェ2
パリのカフェ3
パリのバー etc.
パリのクレープ屋
パリの八百屋と屋台の焼栗屋
パリの花屋
パリの雑貨屋と衣料品店
パリの靴屋
パリの酒屋 etc.
パリの蚤の市1
パリの蚤の市2
パリのメトロと広告のある壁
パリの街角1
パリの街角2
パリの下町
サン・マルタン運河1
サン・マルタン運河2
モンマルトル界隈1
モンマルトル界隈2
サクレ・クール寺院1
サクレ・クール寺院2
サクレ・クール寺院3
ノートルダム寺院1
ノートルダム寺院2
パリの公園1
パリの公園2
コンコルド広場界隈
ポン・ヌフ界隈
セーヌ川畔1
セーヌ川畔2
セーヌ川畔3
セーヌ川畔4
セーヌ川畔5
セーヌ川畔6
エッフェル搭が見える風景
メニルモンタン地区ほか（パリ風景画完了）
