KOUJIN SUGAHARA MUSEUM 菅原洸人オンライン美術館
 
 
菅原洸人オンライン美術館

パリのカフェ1

伯父はパリを愛し、毎年のようにパリに通っていました。遺作のほとんどがパリの風景を描いたもので、カフェを描いた絵が沢山あります。中には、実在するカフェだけでなく、想像上のカフェもあるのかもしれません。パリにお住いの方、パリにお詳しい方、「きっとあのカフェだ」とお気付きになられたら、ぜひカフェの名前と通りの名前をお教えください。

このページにはまず4点をご紹介します。カフェを題材とした油絵は全部で21点残っています。伯父の日記の抜粋も掲載しました。文章はそのまま手を入れずに掲載しました。

伯父の日記「パリの独り言」から(1989年)

「・・・人々が家路を急ぎ、建物の明かりと車のヘッドライトが師走の夜を華やかにしている。ここはモンパルナス。向かいはモジリアニの出入りしたカフェ・ロトンド、今にもピカソが、スーチンが、フジタがその辺を歩いてきそうな雰囲気だ。様々な歴史と哀愁を秘めたパリの夜。いつもだが、この界隈には心残してメトロの石段を降りる・・・」(12月某日)

「・・・良い天気。冷気つよし。午後モンマルトルの丘へ。寒いので画家も観光客も少なし。カフェに入って広場を眺め、画家の生態をスケッチ。客を求めて立っている似顔絵描きも手持ち無沙汰の様。たとえ生き方は違っても、画家仲間にそぞろに心情を思う・・・」(12月某日)

伯父の日記「初冬パリ日記」から(1991年)

「・・・灰色に閉ざされた、重く冷たい街並みに、黄昏の帳が降りる頃、角の小さなカフェの灯りがなつかしい・・・」
(12月4日)

伯父の日記「パリの呟き」から(1992年)

「 ・・・快晴。パリも20年以上描いているので、今日はどっちに行こうかと迷う。だが、サン・ミッシェルでバスを降りて、芸術通りへ入る広場で視点を変えると、いい構図が幾つもある。カフェは寒くなるとガラス戸で囲うが、春になるとどこも開放的になり赤い傘を広げて椅子もテーブルも表に出して、そこで皆コーヒーやビールを飲んだりおしゃべりをしたりして、並木の新緑と調和してそのまま絵になるのだ・・・」(5月21日)

「 ・・・曇り時々晴れ。ピカソ美術館の手前のカフェに入ってみる。去年は2ヶ月間この前を朝晩通ったが、青く塗って綺麗な外観を眺め、中年のムッシュを見て通っただけだったのだ。こじんまりしているが、中も綺麗で5個あるテーブルには小さい花瓶の花も可愛く、落ち着いた高級な感じだ。こっちは覚えているが、向こうは知らんらしい。リモナードを注文する。ふと見ると、壁に日本の雑誌の切り抜きでこの店のカラー写真が貼ってある。日本にも紹介されている有名な店らしい。なるほどそのせいか、リモナードは21フランとずいぶん高い。普通は16フランくらいだ。店内と外観を撮影させてもらう。スケッチは昨年印象で描いてある・・・」(6月1日)

伯父の日記「新緑パリ日記」から(1995年)

「 ・・・最後のパリの1日。シャトレやポンピドー界隈をゆっくり回って名残を惜しむ。この3ヶ月我ながらよく仕事をした。油絵を10号40枚以上、アクリル、水彩もそれ以上やった。とにかくあの震災に見舞われてからは、いつどうなるか分からないので、目一杯描きまくらねば気がすまんみたいで、本能でバリバリ描いたのだ。後は神様任せだ。何か踏ん切りがついて一歩前進できたみたいだ・・・」(7月7日)


作品ページもくじ

パリのカフェ1
パリのカフェ2
パリのカフェ3
パリのバー etc.
パリのクレープ屋
パリの八百屋と屋台の焼栗屋
パリの花屋
パリの雑貨屋と衣料品店
パリの靴屋
パリの酒屋 etc.
パリの骨董屋と蚤の市
パリの蚤の市
パリのメトロと広告のある壁
パリの街角1
パリの街角2
パリの下町
サン・マルタン運河1
サン・マルタン運河2
モンマルトル界隈1
モンマルトル界隈2
サクレ・クール寺院1
サクレ・クール寺院2
サクレ・クール寺院3
ノートルダム寺院1
ノートルダム寺院2
パリの公園1
パリの公園2
コンコルド広場界隈
ポン・ヌフ界隈
セーヌ川畔1
セーヌ川畔2
セーヌ川畔3
セーヌ川畔4
セーヌ川畔5
セーヌ川畔6
エッフェル搭が見える風景
メニルモンタン地区ほか(パリ風景画完了)