WINE・WANDERING ワイン彷徨通信
ブラジルのワイン生産地
© IBRAVIN - Instituto Brasileiro do Vinho
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セハ・ガウシャ地方のぶどう畑
ヴァレ・ド・サンフランシスコ地方のぶどう畑
004「ブラジルワイン・インフォメーション 01」
南米最大の国であるブラジル。その総面積は日本の22倍、常夏の北部から、雪も降る南部まで、熱帯のジャングルから極度に乾燥したセルタオンまで、南ヨーロッパを思わせる山岳地帯から、果てしない草原地帯まで、あらゆる気候のあらゆる地域を擁する、果てしなく広大な国だ。
南米のワイン生産国では、チリとアルゼンチンの知名度が圧倒的に高く、ブラジルワインの情報はドイツでもほとんど聞こえて来ない。しかし、ブラジルにもワインづくりの伝統があり、現在、チリやアルゼンチン以上に急速な発展段階にある。生産量では、南半球地域で第5位(330万ヘクトリットル)となっている。
16世紀、この国に初めてワインを伝えたのはポルトガル人だった。しかし現在の醸造所のほとんどは、19世紀末に入植したイタリア系移民たちが、その基礎を築いた。1970年代には、フランス系の醸造所が進出し、それまでの5リットル瓶に詰められていたヴィーニョ・ジ・メサ(Vinho de mesa/テーブルワイン)以外に、ヴィーニョ・フィーノ(Vinho Fino)と呼ばれる、ヴィーティス・ヴィニフェラ系品種による高品質のワインづくりが実践されはじめ、品質革命が起こった。(このサイトでは、ヴィーニョ・ジ・メサ以外に、ヴィーニョ・フィーノも生産している醸造所とヴィーノ・フィーノのみを生産している醸造所を話題にします。)
ブラジルワインの主要産地は、四季があり、冬には積雪することもある南部のリオ・グランジ・ド・スル州(南緯30度前後)とサンタ・カタリーナ州(南緯27度前後)、年間を通じて熱帯気候である北部のバイーヤ州とペルナンブコ州(南緯8度前後)の2つに大きく分けられる。
南部では、北半球とは季節が逆になり、年に1度、2月から3月にかけて収穫が行われている。また、北部では、剪定時期と灌漑用水のコントロールによって、年間を通じ、随時ぶどうが熟すごとに収穫が可能。大抵の醸造所では、おなじぶどう樹から年に2度、収穫を行っている。2年で5度の収穫も可能だという。
ブラジルワイン広報局(IBRAVIN)は、2008年の時点で主要産地を3州に散らばる6地方に分類しているが(左の地図)、実際にはその他の地域でもワインは生産されているので、他の資料も参考にし、簡単にまとめてみた。
〈南のワイン地方〉
*リオ・グランジ・ド・スル(Rio Grande do Sul)州
(49.816ヘクタール、ヴィーニョ・フィーノ以外のワイン用ぶどうを含む)
セハ・ガウシャ(Serra Gaúcha)地方
セハ・ド・ズーデスチ(Serra do Sudeste)地方
カンパーニャ(Campanha)地方
カンポス・デ・シマ・ダ・セハ(Campos de Cima da Serra)地方
*サンタ・カタリーナ(Santa Catarina)州
(4.836ヘクタール、ヴィーニョ・フィーノ以外のワイン用ぶどうを含む)
プランアウト・カタリネンゼ(Planalto Catarinense)地方(サン・ジョアキン(São Joaquim)地域他)
*パラナ(Paraná)州
トレド(Toledo)地方
〈中部のワイン地方〉
*ミナス・ジェライス(Minas Gerais)州
スル・デ・ミナス(Sul de Minas)地方
*サンパウロ(São Paulo)州
サン・ホッキ(São Roque)地方
〈北のワイン地方〉
*バイーヤ(Bahia)州+ペルナンブコ(Pernambuco)州
(11.488ヘクタール、ヴィーニョ・フィーノ以外のワイン用ぶどうを含む)
ヴァレ・ド・サンフランシスコ(Vale do San Francisco)地方
ブラジルワインのほとんどが、リオ・グランジ・ド・スル州で生産されている。ヴィーニョ・フィーノを生産しているのは約400醸造所、うち300以上の醸造所がリオ・グランジ・ド・スル州にある。チリやアルゼンチンとの違いは、大多数が家族経営の小さな醸造所であるということ。
リオ・グランジ・ド・スル州セハ・ガウシャ地方にあるベント・ゴンサウヴェス市は、ブラジルワインの中心地。醸造大学があるほか、ブラジルワイン・インスティトゥート(IBRAVIN)、ブラジル醸造家協会(ABE)、ブラジル農牧畜業研究所ぶどう・ワイン研究センター(Embrapa Uva e Vinho)がこの街に本部を置いている。
またセハ・ガウシャ地方には、2007年にEUが指定生産地域に指定したA.O.ヴァレ・ドス・ヴィニェドス(Vale dos Vinhedos)がある。この地域のワインは2001年から生産地を表示して市場に出していた。官能検査、および分析検査が実施され、高い品質と地域性が充分表現されていると認められたワインにのみ、この地域名を表示することができる。(このページは新しい情報が入り次第更新します。)
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南米最大の国であるブラジル。その総面積は日本の22倍、常夏の北部から、雪も降る南部まで、熱帯のジャングルから極度に乾燥したセルタオンまで、南ヨーロッパを思わせる山岳地帯から、果てしない草原地帯まで、あらゆる気候のあらゆる地域を擁する、果てしなく広大な国だ。
南米のワイン生産国では、チリとアルゼンチンの知名度が圧倒的に高く、ブラジルワインの情報はドイツでもほとんど聞こえて来ない。しかし、ブラジルにもワインづくりの伝統があり、現在、チリやアルゼンチン以上に急速な発展段階にある。生産量では、南半球地域で第5位(330万ヘクトリットル)となっている。
16世紀、この国に初めてワインを伝えたのはポルトガル人だった。しかし現在の醸造所のほとんどは、19世紀末に入植したイタリア系移民たちが、その基礎を築いた。1970年代には、フランス系の醸造所が進出し、それまでの5リットル瓶に詰められていたヴィーニョ・ジ・メサ(Vinho de mesa/テーブルワイン)以外に、ヴィーニョ・フィーノ(Vinho Fino)と呼ばれる、ヴィーティス・ヴィニフェラ系品種による高品質のワインづくりが実践されはじめ、品質革命が起こった。(このサイトでは、ヴィーニョ・ジ・メサ以外に、ヴィーニョ・フィーノも生産している醸造所とヴィーノ・フィーノのみを生産している醸造所を話題にします。)
ブラジルワインの主要産地は、四季があり、冬には積雪することもある南部のリオ・グランジ・ド・スル州(南緯30度前後)とサンタ・カタリーナ州(南緯27度前後)、年間を通じて熱帯気候である北部のバイーヤ州とペルナンブコ州(南緯8度前後)の2つに大きく分けられる。
南部では、北半球とは季節が逆になり、年に1度、2月から3月にかけて収穫が行われている。また、北部では、剪定時期と灌漑用水のコントロールによって、年間を通じ、随時ぶどうが熟すごとに収穫が可能。大抵の醸造所では、おなじぶどう樹から年に2度、収穫を行っている。2年で5度の収穫も可能だという。
ブラジルワイン広報局(IBRAVIN)は、2008年の時点で主要産地を3州に散らばる6地方に分類しているが(左の地図)、実際にはその他の地域でもワインは生産されているので、他の資料も参考にし、簡単にまとめてみた。
〈南のワイン地方〉
*リオ・グランジ・ド・スル(Rio Grande do Sul)州
(49.816ヘクタール、ヴィーニョ・フィーノ以外のワイン用ぶどうを含む)
セハ・ガウシャ(Serra Gaúcha)地方
セハ・ド・ズーデスチ(Serra do Sudeste)地方
カンパーニャ(Campanha)地方
カンポス・デ・シマ・ダ・セハ(Campos de Cima da Serra)地方
*サンタ・カタリーナ(Santa Catarina)州
(4.836ヘクタール、ヴィーニョ・フィーノ以外のワイン用ぶどうを含む)
プランアウト・カタリネンゼ(Planalto Catarinense)地方(サン・ジョアキン(São Joaquim)地域他)
*パラナ(Paraná)州
トレド(Toledo)地方
〈中部のワイン地方〉
*ミナス・ジェライス(Minas Gerais)州
スル・デ・ミナス(Sul de Minas)地方
*サンパウロ(São Paulo)州
サン・ホッキ(São Roque)地方
〈北のワイン地方〉
*バイーヤ(Bahia)州+ペルナンブコ(Pernambuco)州
(11.488ヘクタール、ヴィーニョ・フィーノ以外のワイン用ぶどうを含む)
ヴァレ・ド・サンフランシスコ(Vale do San Francisco)地方
ブラジルワインのほとんどが、リオ・グランジ・ド・スル州で生産されている。ヴィーニョ・フィーノを生産しているのは約400醸造所、うち300以上の醸造所がリオ・グランジ・ド・スル州にある。チリやアルゼンチンとの違いは、大多数が家族経営の小さな醸造所であるということ。
リオ・グランジ・ド・スル州セハ・ガウシャ地方にあるベント・ゴンサウヴェス市は、ブラジルワインの中心地。醸造大学があるほか、ブラジルワイン・インスティトゥート(IBRAVIN)、ブラジル醸造家協会(ABE)、ブラジル農牧畜業研究所ぶどう・ワイン研究センター(Embrapa Uva e Vinho)がこの街に本部を置いている。
またセハ・ガウシャ地方には、2007年にEUが指定生産地域に指定したA.O.ヴァレ・ドス・ヴィニェドス(Vale dos Vinhedos)がある。この地域のワインは2001年から生産地を表示して市場に出していた。官能検査、および分析検査が実施され、高い品質と地域性が充分表現されていると認められたワインにのみ、この地域名を表示することができる。(このページは新しい情報が入り次第更新します。)